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サッカーの質と選手獲得力

李忠成が広島に来ることになったという報道が為され公式サイトでも正式に発表されたのであるが、山形戦を無事終えた今、今回の移籍が成功した要因について考えてみたい。

いわゆる一般的な理由

この辺は別に語る言葉を持たない。若手を使うようになったとか、MFで起用されるようになったなど、ネルシーニョへの監督交代によって出場機会が激減したとか、広島のフロントが熱心に誘ったからとか、もしかしたら同じ(厳密には北朝鮮系と韓国系で異なるが)ルーツを持つハンジェが居たとか、そう言う話だからだ。

李忠成が高橋元監督に重用されており、その高橋元監督は広島とのつながりが非常に強い、と言うことは見逃せない事実ではあるものの、今回は見逃せない事実、程度で留めておこうかと思う。

今回は別の角度から話してみたい。

仮説:広島のサッカーが選手にとって魅力的だった

この仮説を強く推してみたい。

ちょっと前にあった、広島のサッカーは日本が目指すべき未来の姿だ、という論調。僕はこれに即答でYESと言うほど楽観的ではないのだが、ボールを奪ってから6秒以内にゴールを奪え、とかハーフカウンターが最高の戦術、とか個の仕掛けがないとどうしようもない、とか言われる(ちょっと古いか)現代サッカーにおいて、その方向性とは正反対を向いた、ポゼッションと広島のサッカーが多くの識者がそう感じていたことは間違いない事実だ。

これはもちろんファンにとっても当てはまることで、(おそらく心なしかというレベルを脱してはいないが)ファンが増えている気もする。
持論として、広島のファンは最初勝負に厳しいが、一度心が寄り添うと徹底的に寄り添う、という気質があると思っている。
このままよいサッカーと、ファンと選手の(本当の意味での)いい関係を築けていけば、カープと広島市民のような関係も夢ではないと思う。

ちょっと話がずれてしまったが、これは選手にも当てはまるのではないだろうか。

私のような一般のファンですら、クライフが率いた、私のもっとも尊敬するDFの一人であるロナルド・クーマン(今の広島にクーマンは10000%フィットすると言い切れる)擁するバルセロナの黄金期の様なサッカーには憧れる。しかし、ファンレベルでは憧れるだけで「バルセロナでプレーしてみたい」とは思わないだろう。しかし、選手であればどうだろう。いくら狭き門であるとはいえ、多少は「いつかはあのバルサで」と思うのではないだろうか。

では、もっと近くに、自分と同じカテゴリに良いサッカーをするチームがあったとしたらどうだろう。我々が大学の時に所属するサッカーサークルを「どこが強いかなー」「どこの雰囲気がいいかなー」と選ぶが如く、「どこが成長できそうか」「どこのサッカーが良さそうか」で選ぶのではないだろうか。

当然、生活がかかるのだから条件面はある。しかし、やりがいという物は条件を上回ることが往々にして、ある。

ベンチャーに身を投じる一流大学出身の若者が金銭的安定ではなく、チャレンジと自己の成長を望む事があるように。
自分のクラブでは王様で居られるのに、敢えてイタリアで挑戦することを選んだKINGと呼ばれる男が居るように。
人は金ではなく、自己の成長を報酬に求めることがある。
逆に、ベンチャーや地方クラブのように条件面で劣る組織が、そう言った優れた人材を採用しようとする場合、金銭面以外の条件で魅力を出すのが最も重要なポイントになる。

広島で言えば、中学生や高校生には優れた育成組織、サッカーに集中できる環境を提示することで、サッカー選手として成長できることを条件として提示してきた結果、優れた選手が集まり、また、集められるようになってきた。
同じように、トップでも魅力的なサッカー、サッカー選手として成長できるサッカーをしていくことで優れた選手を獲得できるようになるのではないだろうか。

また、そう期待したい。

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